そういう風に使用するファンではありません!
電動ファンが回らない、水温上昇が止まらない!
本来なら105℃に達するとエマージェンシーモードでエアコンコンデンサー前方にある通称ブロワーファンが作動し冷却を始めるのですが、、回転していない。
点検していくとハイお約束、このような状態になっております。
Dのヒューズを受ける下側の端子が熱で溶融し沈み込んでしまっています、結果接触がなくなり通電していません。
水温が頻繁に上昇するから予防措置として配線を変更してこのファンをクーリングシステムとして稼働させる。この安易な考えがヒューズボックスを融かして破損させて交換という大出費へと誘導します。
よってこのファンの使用する設計時の前提としましては多分、
① クーラー使用時にコンデンサー側の低圧配管の圧力を検知して低速回転で冷却する働き
② エンジン水温が異常に上昇したときに緊急冷却モードとしての働き
なのでしょう。
このブロワーファンですが、旧式で消費電力が大きいわりに能力がよくありません、このファンを頻繁に起きる水温上昇時に過度の稼働をさせるとどうなるでしょう?安易な改造が大きな損害となって帰ってきます!
水温が頻繁に上昇するのにはそれなりの理由があり、根本的な原因を解消せずに『お金をかけずにできました、どうでしょう?』的なネット情報をよく見かけますがその影響の責任を取ることのない無責任な情報です。決して真似をしないようにお願いします、なんせ事故発生時の被害への補償はありませんから!
『お金がないから自分でやる』というのも簡単な部位に限っては良いことだと思います。業者としては商売が成り立ちませんが、、、、ただ専門知識の必要な部分で素人がこれをやってしまうと取り返しのつかない焼損事故などにつながってしまいます。
このお客様は早めのご入庫・相談で発覚した結果事なきを終え、たまたま在庫していたUSEDヒューズボックスに交換、そして安易で危険なこの配線はすべてノーマルに戻させていただき対応をさせていただきました。
電気は怖いですよ!!素人配線は危険この上ありません。。。
124の水温上昇問題ですが、パーツの定期交換を怠っている方が非常に多いです。
特にクーラント、ラジエーター、ファンカップリング、サブタンクキャップ交換スパンはそれぞれ違いますが
まずはここから始めましょう!
そしてリフレッシュ後、症状は改善しよい傾向だがまだ水温が上昇するケースが時々有る、、、とすればそれは明らかに欧州仕様の冷却システムが亜熱帯気候へとシフトした最近の日本の気候に対応できなくなっていることの証明です。
こうなりますと、次にできる手段はシステムの近代化となります!機械式冷却ファンを削除し電動ファン化し水温の監視とコントロールを行います。
費用を度外視して開発すればどんなに最新の良いシステムができるかと思いますが、販売価格を考えますといろいろな制約が邪魔をします。
お客様と車両にとっては大きな変更となります、思い切るには相当の覚悟が必要だと思います。
ただ導入後に『もう水温系を見ることが少なくなった)、『夏でも安心してクルージングができる』といったお声、また坂道が多い兵庫県・神戸にお住いのオーナー様から登坂時の水温上昇が改善されたなど、いろいろな感想をいただくと苦労して開発してよかったとしみじみ思います。
近代化の結果、
・エンジンの馬力損失の低減→アクセルON時の加速性良化
・水温の安定化
・点火時期・燃調の安定
・エンジンオイル・オートマオイルの高温劣化防止
・クーラー効率の良化、水温によるエアコンカットの防止
・燃費改善による環境負荷の低減
・登坂性の向上
・取り外すパーツ分の軽量化
といったメリットが考えられます。
重要なパーツの定期交換もせず、歯止めのかからない水温上昇の対策として使用する製品ではありませんのでご注意をください。まずはお車を正常な状態に戻すことから始めましょう!!
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