一度はやってくる、、が今後は修理不能も、、!
メルセデスベンツ124シリーズご所有の方、修理履歴が無ければ1度は所有中に訪れるかもしれない、
ダッシュボードを取り外してのヒーターケース(エバポレーターケース)の脱着を伴う修理作業。
その理由はヒーターコアやエバポレーターからの漏れによる暖房・冷房、即ちエアコンの不具合です。
引退してからはもうすることはなくなりましたがその苦労はいまだに夢に出てくるくらいです。
ある意味何度やっても夢に出てくるトラウマ的な作業なのです。が、なれればサクサクできるものです。
あるオーナー様でこんなことがありました、エバポレーターからの冷媒漏れが確認されたのちに交換作業の依頼あり。当然ダッシュボードを取り外しヒーターケース(写真)を取り外します。
ここで再度これらの大掛かりで高額な作業をすることがないように、同時にヒーターコア交換、フラップ稼働用のバキュームエレメント交換をオーナー様にお奨めしていました。
お金がないとのことでエバポレーター交換のみで腹をふさいで作業終了。一年も経過せずにヒーターコアからのクーラント漏れで再びダッシュボードの脱着・ヒーターケースの脱着。この時も全てやっておくほうが、、また同じことの繰り返しになりますよと助言をしましたが、、。
はい、数か月後バキュームエレメント内のゴムの破損によるフラップ作動不良によりまたダッシュ脱着と相成りました。短期間にこれらの作業を合計3度繰り返したオーナー様がおられたということです。
費用的には莫大であり一時の判断を誤ると後で大ごとになる典型例です。
借金してでも全て新品にしておくべきですと声を大にして言いたいところですね。
バンクしているエバポレーター、冷媒&オイルにてベトベトの上ケーズも大掃除が必要です。
まだ純正部品の供給がありますが10万円越えです、社外品を購入する方もおられますが信頼性については何とも言えないのが現状といったところでした。クレームはなかったかな、確か、、。
純正をリペアして投入準備中のエバポレーター
ヒーターコアの純正新品をラインに接続します、最後の在庫を使ってしまいました。すでに供給終了、純正新品は入手できません。今後は社外品での対応になります。左上のバキュームエレメント白色も同じです。
エバポレーターを設置する前には隙間を埋めるためのスポンジを各部に貼り付けます。通過するエアーがすべてコアの隙間を通過するように考えて施工します。
ボディ側への接続部、スポンジとシーラントを綺麗に取り除き再接続する準備をします。
必ず仮付けをしてすべての可動部が動作するかの確認をします。
えっ?この状態で動かすことができるの? はい、できます。
あっ、大人でも頭をいれてエンジンルーム側に顔を出すことが可能です、この穴。
見晴らしの良いこと良いこと♪
後はトップカバーを取り付けるだけの状態、とても奇麗です。
仕上がりは上々です。この時点でバキュームエレメントの負圧はゲージにて漏れがないか一晩様子を見て確認します。
このケースですが仕様によって細部に違いがあり中古品の流用はできない場合がありますので注意が必要です。バキュームエレメントへのカラーパイプの接続に使うゴムのパーツも硬化して外れやすいのですべて交換しておきます。
これでもか、、というところまで交換を実施し二度とこの作業を繰り返すことのないようにしておきます。
ただし、近年このピンク色のバキュームエレメントの入手がかなり厳しくなってきています。
前述の作業をするに必要なパーツが昨今揃わなくなってきました。たまに外国で見つかりますが定数を揃えることができてもレアもの扱いで価格が高騰している上に円安の関係で以前に比べかなりの費用を要するようになってきています。
↑これもその一つです!!デュアルタイプのバキュームエレメント、メインフラップ用です。このパーツが将来入手できなくなりますとこれらの作業はできなくなるといっても過言ではありません。中古を使うという手段もありますがいつまでもつものなのか、、。。
弊社ではこのピンク色のバキュームエレメント、シングルタイプ、デュアルタイプの中のゴムだけを高品質なものと取り換えるリペアキットを販売する予定です。輸入をすると1個2万円以上の価格となってしまうレア物バキュームエレメントが半額くらいで修理できるようになる予定です。朗報ですね!
この作業に付随して交換推奨のパーツはクーラントと冷媒を回収する関係でこの間にできるメインテナンスといいますとヒーターホースやヒーターケースの下にあるドレンホース左右2本、エキスパンジョンバルブ、レシーバードライヤー等A/Cラインに関するものとこれに取り付けられている圧力センサー2個など交換履歴がなければ同時にされることをお奨めします。工賃の削減になります。
大がかりな大手術になります、入念な下準備と専門家からのアドバイスに基づいた的確なパーツ交換を心がけてください。
私からのアドバイスですが、交換部品の特定はプロでも難しくMBのEPCを使用しても実際取り外すと違っている場合がございます。急がず慌てず、取り外して必要なパーツを確認してから発注することも大切です。
但し整備業者さんは嫌がります、狭い敷地に一台修理途中の車にスペースを占領されるから、、。
上記ピンクの新品バキュームエレメントの入手につきましてはまだ何とかなる種類があるかもしれませんのでお問い合わせ・ご相談ください。ただし外国とのやり取りですので非常に時間と費用が掛かります、その旨ご了承くだる方のみでお願いします。
あぁ、ほんと維持にお金のかかる車です、ブツブツ
M.E.TECH Restorations
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